ロンドンの交通手段について

ロンドンの交通手段について

イギリスといえば、ロンドン名物の赤い二階建てバス、ダブルデッカーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?ダブルデッカーを始め、通称tube(チューブ)と呼ばれる地下鉄など、ロンドンは公共の交通機関、また丸い黒い姿がかわいらしいブラックタクシーがとても充実しています。

ロンドンに留学やワーキングホリデーで滞在そして生活には欠かせないロンドンの交通手段について紹介していきます。

ロンドンの交通手段のタイプ

では、まずロンドン市内を移動するのに欠かせない交通手段についてそれぞれの種類を紹介していきます。

バス

ロンドン市内を移動する際に欠かせない交通手段の一つはロンドン名物の赤い2階建バス(ダブルデッカー)です。

市内には約700路線のバスが運行されており、そのうち52路線は24時間運行していて、深夜や早朝もタクシーなどを利用することなく市内を移動することが可能です。

料金は距離や利用時間に関わらず、一律1.5ポンド(約200円)に統一されており、また1時間以内に乗り換える場合は乗り換えたバスではあらためて料金を徴収されることはありません。

バス乗車の際には現金での支払いは不可となっており、オイスターカード(日本のPASMOやSuicaに相当するカード)もしくはコンタクトレス(サイン不要)の銀行カードもしくはクレジットカードが必要となります。

バス料金の支払いは、乗車の際に車内にある黄色いカードリーダーにオイスターカードもしくは銀行カードもしくはクレジットカードをタッチすることで支払いが完了します。

なお、バス停でバスを待っていても、乗車の意思を表示しないとバスが止まってくれないことがあります。バスが見えたら手を上げて乗車したい旨をドライバーに示すことが必要です。

降車の際は日本同様、降車したいバス停が近づいたらブザーを押しましょう。

ロンドンのダブルデッカーバス
ロンドンのダブルデッカーバス

地下鉄

チューブもしくはアンダーグラウンドと呼ばれるロンドンの地下鉄。11路線が市内を走っており、通勤時間帯には東京のように大変込み合います。

ロンドン市内は「ゾーン」で区分されており、ロンドンの中心地はゾーン1、そこから離れていくほど、ゾーン2、ゾーン3、、、となります。

地下鉄の料金はゾーンまた利用時間、切符の購入方法によって異なり、朝6時30分から9時30分、夕方の4時から7時はオンピークと呼ばれ、ピーク時間外(オフピーク)に利用するより料金が割高となります。

また地下鉄の切符はバス同様、オイスターカードもしくはコンタクトレスカードをカードリーダーにタッチさせて支払う方法が主流で、その都度片道切符を券売機等で購入すること割高になります。

なお、11路線のうち、セントラルライン、ピカデリーライン、ノーザンライン、ヴィクトリアライン、ジュビリーラインの5路線は金曜日と土曜日の夜には終夜運行しています。

ロンドンの地下鉄
ロンドンの地下鉄

オーバーグラウンド

2007年に運行が開始されたオーバーグラウンド。地下鉄(アンダーグラウンド)がロンドンの中心部から郊外に向けて運行されているのに対し、オーバーグラウンドはロンドンの中心エリアを囲むように運行されています。

また名前の通り、地下鉄に対し地上を走っているのも特徴で、ロンドン市内の風景を楽しみながら乗車できるのもオーバーグラウンドの醍醐味です。

料金は地下鉄同様、ゾーンおよび利用時間によって異なります。また地下鉄同様、一部区間で金曜日と土曜日の夜には終夜運行されています。

DLR

1987年に創業されたDLR(Docklands Light Railway)はロンドンのドックランド地域とロンドン東部エリアで運行されています。

DLRの特徴は運転がコンピューター制御されており、ドライバーが列車に同乗していないことです。

料金は地下鉄同様、ゾーンおよび利用時間によって異なります。

ナショナルレイル

イギリス国内を走っているナショナルレイル。ロンドン市内の駅を起点としてイギリスの地方都市を結んでいる路線が多く、ロンドン市内を移動する際にも利用可能です。日本で言うJRのようなものと思ってもらうとイメージが湧きやすいかもしれません。ちなみに、ブリットレールパスでロンドンパスなどロンドンが対象となっているエリアでは利用することもできます。

路線により発着駅が異なり、主にはウォータールー駅、パディントン駅、リバプールストリート駅、ユーストン駅、ヴィクトリア駅、チャリングクロス駅、ロンドンブリッジ駅、キングスクロス駅やセントパンクラス駅から利用することが可能です。

なお、料金制度は地下鉄などとは異なり、ロンドン市内の移動でも若干高めとなることがあります。特にオンピークタイムには特に割高となります。

自転車

最近ロンドン市内の重要な移動手段として人気のレンタル自転車。

イギリス首相のボリスジョンソン氏がロンドン市長時代に本制度を導入したため、通称ボリスバイクと呼ばれています。

このボリスバイクは18歳以上であれば、ロンドン市民に限らず誰でも利用可能です。

利用方法は簡単で、ロンドン市内にあるドッキングステーションと呼ばれる自転車が設置されているところから自転車をレンタルし、利用が終わったらドッキングステーションに返却します。

なお、返却は同じドッキングステーションである必要はなく、どのドッキングステーションでも可能です。

レンタル料金は1日2ポンドと割安ですが、30分以内に返却しなければ追加料金がかかります。つまり長時間使用したい場合には30分ごとに乗り換える必要があります。

またイギリスでは自転車の歩道走行は禁止されており、車道を走る必要あることも注意しましょう。

タクシー

ロンドン名物の一つであるブラックタクシー。ドライバーになるためには市内のすべての道路を知り尽くしていないといけないと言われるほどで、観光客でも安心して乗車することが可能です。

乗車する際にはまずドライバーに行き先を告げてから、乗車します。なお、ドアは自動ではないため、自分で開閉する必要があります。

ブラックタクシーは市内の主要駅やホテルなどにあるタクシー乗り場からのほか、流しのタクシーも多く走っており、比較的簡単にタクシーを捕まえることができます。

なお、流しのタクシーを捕まえたい場合は、まずタクシーの頭部にあるランプで空車かどうかを確認し(ランプが付いている場合は空車)、そして手を上げてタクシーを止めましょう。

料金は乗車時間、距離によって異なります。通常10分程度の乗車の場合、乗車料金は7−8ポンド程度となります。

また最近はウーバー(Uber)の利用も人気がありますが、ウーバーを利用するには専用のアプリをスマートフォンなどにダウンロードが必要となります。

ロンドンブラックタクシー
ロンドンブラックタクシー

利用方法

現金は使えない

イギリスは日本以上にカード社会化が進んでおり、ロンドン市内の交通機関を利用するにもそれが顕著に表れています。

特にバスの料金は現金での支払いが不可で、オイスターカードもしくはコンタクトレスカードを利用する必要があります。

また駅構内にある券売機に関しても、クレジットカードのみ受け付ける券売機が主流で、現金の利用ができる券売機は、大きな駅でも1−2台程度ということが少なくありません。

オイスターカードとは

ロンドン市内の交通機関を利用するのに便利なオイスターカード。日本のPASMOカードやSuicaと同じく、事前にカードにチャージ(英語ではトップアップと言います)し、駅の自動改札のカードリーダーにオイスターカードをタッチさせることで料金の支払い処理が行われます。

オイスターカードは駅の窓口や券売機で入手可能で、購入の際にはデポジットとして5ポンド必要となります。(オイスターカードを返却すればデポジットも返却されます。)

オイスターカードへのチャージは駅の券売機や街のオフライセンス(コンビニエンスストア)またTFLのホームページやアプリでも可能です。

お得に利用するために

ピークタイムは避ける

イギリスでは通勤通学のいわゆるラッシュアワー時には交通機関の料金が割高に設定されています。

ラッシュアワーのことはオンピークタイムと呼ばれ、平日の朝6時半から9時半、夕方の4時から7時がオンピークタイムに設定されています。

たとえば通常地下鉄でゾーン1内の駅から同じくゾーン1内の駅へ移動するとき、オフピークタイムは料金が2.4ポンドであるのに対し、オンピークタイムは2.8ポンドとなります。

そのため、特に観光でロンドンに滞在し、交通機関を利用する場合はオンピークタイムを避けるとよいでしょう。

デイリーキャップを利用

ロンドンの交通公共機関の料金には「デイリーキャップ」という制度が用いられています。

「デイリーキャップ」は1日の公共交通機関利用費がある一定額に達したら、その後はいくら利用しても料金はかからないという制度です。

なお、デイリーキャプの金額はゾーンごとで異なります。

たとえばゾーン1-2区間の「デイリーキャップ」は7ポンドに設定されており、7ポンドに達したら、その後は地下鉄やバスなどの公共交通機関をいくら利用しても料金はかかりません。

また「ウィークリーキャップ」というものもあり、たとえばゾーン1-2区間のみの利用の場合、「ウィークリーキャップ」は35.10ポンドとなっており、その後は追加料金はかかりません。

つまり1週間のうち、月曜日から土曜日まで毎日ゾーン1-2区間を移動していれば、日曜日はただでゾーン1-2区間を移動できることになります。

なお、「ウィークリーキャップ」は月曜日から日曜日の利用で計算され、火曜日から月曜日、水曜日から火曜日、という計算はされません。

なお、バス専用の「デイリーキャップ」も設定されており、1日のうち、バスのみを利用する場合は、「デイリーキャップ」はゾーンに関係なく4.5ポンドとなります。

しかし一度でも地下鉄など他の公共の交通機関を利用すると、通常の「デイリーキャップ」が適用されます。

トラベルカードやシーズンチケットを利用

ロンドンの交通公共機関を得に利用したい場合、上記のデイリーキャップを利用するほか、ワンデイトラベルカード(1日乗り放題)やシーズンチケット(定期)を利用することで交通費を抑えることも可能です。

ただし、現在は上記のデイリーキャップ制度が導入されていることからワンデイトラベルカードやシーズンチケットの方が割高になる場合もあり自分の生活スタイル、滞在スタイルをよく考えてのチケットの購入が必要です。

ワンデイトラベルカードやシーズンチケットの購入が得か、デイリーキャップを利用した方がよいのかはTFL(ロンドン交通局)のホームページで確認できます。また駅のスタッフに相談することも可能です。

なお、ワンデイトラベルカードやシーズンチケットは既に持っているオイスターカードに加算することも可能です。(つまり別途チケットを保持する必要はありません。)

交通事情を正しく理解し快適な生活を!

ロンドンの交通費は日本の交通費と比べて、若干高めであることは否めません。しかし特に市民や観光客が少しでも快適に過ごせるような制度が様々用いられています。

ぜひ上記の情報を参考にしてロンドンの交通事情を正しく理解し、ロンドン留学生活やワーホリ生活を充実させてみてください。

堀江保夫(編集長)

英語圏を中心とした留学を無料でサポートしているトランスリエゾン株式会社)のマーケティングを統括。大学進学希望者へのカウンセリングも行っています。留学経験者の体験をヒアリングしながら記事の作成をまとめています。

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