スペイン人の国民性

陽気なラテン的な国民性

スペイン人と聞くと、陽気なイメージを連想する人が多いかと思います。実際まったくもってその通りです。

何歳になっても楽しいこと大好き、イベント事はとことん楽しむ、音楽に合わせて体を揺らしたり、友達と大声でおしゃべりをしたり、みなさんがイメージしている通りかと思います。

毎週末は若者だけでなく40〜50年代のお父さんお母さん達も夜の街に出かけて行きます。ディスコで音楽に合わせて踊ったり、おしゃれなバーでお酒を楽しんだり、ご高齢な夫婦は少し落ち着いたレストランで2人の時間を楽しんだり…、何歳になっても誰かとの時間を大切に過ごしています。

ホームステイしていても、家族に「友達とディスコへ遊びに行くね」と言うと「いいね！貴重品には気をつけてね。」と大賛成されたりすることもあります。

全体的に人見知りをする人が少ない印象で、頬と頬を合わせるスペイン特有の挨拶「dos besos（2回のキス）」、初めはなかなか慣れないと思います。このようなボディコンタクトがあることで、お互いすぐに打ち解け人間関係を気づくことができます。

スペインの最低賃金は900€と低く、賃金から考えると家賃はあまり安いとは言えないので大人になっても一人暮らしをせず実家に住んでいる人は少なくありません。家族もとても仲が良く、今回のパンデミックによる厳しい規制にもおうち時間を楽しむことで乗り切っていました。

働きたくないスペイン人

日本で生活していると、多くのサービス業がお客様ファーストであることは誰もが感じるところだと思いますが、スペインでは全くもって違います。

スペインではどんなお店でも基本的に入り口に警備員が配置されています。スーパーマーケットなどでは閉店時間５分前になるとほとんどが入店を断ります。ちょっとそこにあるものを買いたいだけでも断固として拒否されます。閉店時間はあくまで客を全て出す時間なので、買い物は余裕を持って入店しましょう。

銀行や役所なども例外ではありません。来店予約を事前に取っていたにも関わらず待たされることはしばしば…。たくさんの人が並んでいても関係なく自分の休憩時間が来たら迷わず席を立ちます。そのくせ来店予約時間を過ぎると入店を拒否されることもあります。

また、ビザの申請をしても許可が出るまでの時間がかなり長く、毎年ビザ更新の際はイライラします。学生ビザの更新で2〜６ヶ月かかり、その後のNIEカード（マイナンバーカード）の発行までもかなりの時間を要するので、申請可能期間やその際に日本に一時帰国したい場合は前もって時間を計算しましょう。

残業もせず、勤務時間以外は自由なので働く側としてはいい環境ですが、サービスを受ける側は日本でのサービスに慣れていると嫌悪感を感じる部分かもしれません。改めて日本のおもてなし文化の凄さを感じます。

日本人は仕事にかける時間がかなり多いと思いますが、スペイン人でそんな人はほとんどいません。仕事はあくまで人生の一部でそれ以外の時間も大切に思っています。空いた時間には仕事で行かせる資格の勉強をしたり、うまくスケジュールを作って大学院に通ったり、キャリアを築くことにも積極的です。もちろん休む時間もしっかり取ります。

忙しくても家族との時間が優先

「勤務時間中に自分の子供が通う小学校のオンライン保護者会に参加する」、というのも驚くエピソードの一つです。

もちろん勤務形態や職場の理解が必要ですが、勤務時間中にスマートフォンにイヤフォンを接続していたスペイン人男性を見た時は驚きました。でも男性が子供の教育に関心を持って保護者会に参加することが素敵だなと思いました。

両親共働きの家庭が多く、育児や家事を分担している夫婦は多くいます。父親・母親ともに子供と接している時間は同じくらいではないかと感じます。

クリスマスや誰かの誕生日はもちろん、日曜日のお昼は必ず家族でテーブルを囲う、スペイン人は家族の時間を大切にしています。

スペイン人の国民性のまとめ

プライベートを充実させ、どんな時でも心の健康を大切にするスペイン人。朝早くから活発的に動き、疲れたなと感じたら少し休み、家族や友達との時間も大事にする。メリハリのある生活で人生をとても楽しんでいるように思えます。

勤勉で必要以上に周りを気にしてしまう日本人からしたら最初は戸惑うと思います。何事にも少し余裕を持たせ、その分自分の人生をより豊かにする時間に使う。とても素敵な生き方だなと思います。

是非スペインで長期間滞在するのであれば、日本人としての気遣いや勤勉さはそのままに、スペイン人らしく楽しい時間を過ごしてみてください。