SDGsによる海外大学インパクトランキング2021

イギリスの世界大学ランキング会社であるTimes Higher Educationが世界の大学のインパクトランキング2021を発表しました。

このインパクトランキングって何?と思われるかもしれませんが、要はここ数年注目されているSDGsに取り組んでいる世界の大学についてランキングしたものです。SDGsの具体的な内容は他のサイトに譲るとして、17の目標を掲げているSDGsのどの分野でどの程度のインパクトを与えているか世界の大学を数値化しているランキングになっています。

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SDGsの簡単な説明

SDGsは聞いたことあるかもしれませんが、国連が中心に17の分野において目標を掲げています。例えば「貧困をなくす」という目標だったり、「ジェンダーの平等」だったり、「気候変動への対策」だったりと17の目標が設定されています。

このSDGsの各目標の詳細については外務省のサイトにも詳しく書かれてあるので、是非外務省のSDGsに関するサイトをチェックしてみてください。

念のためこの17の目標だけここに列挙しておきます。

  • 1.貧困をなくそう
  • 2.飢餓をゼロに
  • 3.全ての人に健康と福祉を
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 10.人や国の不平等をなくそう
  • 11.住み続けられる町づくりを
  • 12.つくる責任つかう責任
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 14.海の豊かさを守ろう
  • 15.陸の豊かさも守ろう
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナシップで目標を達成しよう

世界大学インパクトランキング2021

このSDGsの17の目標に対してどれだけ積極的に大学が対応しているかを測ったものがTHEが出しているインパクトランキングです。

THEでは独自の測定方法で、各17の目標分野においてresearch(研究)、stewardship(管理)、outreach(奉仕)、teaching(教育)の4つの領域で総合的に評価した指標としています。

2021年のスコアによると次にあげる大学がSDGsへの取り組みが評価されインパクトが大きとしてランキングされています。全てを挙げると膨大な量になるので、上位20位までご紹介します。詳しいランキングについては以下の参照元であるTHEのサイトからチェックしてみてください。

順位大学名総合スコア2021世界ランク
1マンチェスター大英国98.851
2シドニー大学豪州97.951
3RMIT大学豪州97.8301-350
4ラトローブ大学豪州97.3201-250
5クイーンズ大学カナダ97.0251-300
6オールボー大学デンマーク96.1201-250
6ウーロンゴン大学豪州96.1201-250
8ユニバーシティカレッジコークアイルランド96.0301-350
9アリゾナ州立大学テンペ米国95.8184
9オークランド大学NZ95.8147
11キングスカレッジロンドン英国95.535
12ニューカッスル大学豪州95.2251-300
13ブリティッシュコロンビア大カナダ95.134
14マックマスター大学カナダ94.969
15ニューカッスル大学英国94.8178
16リーズ大学英国94.7160
17ウエスタンシドニー大学豪州94.3251-300
18モナッシュ大学豪州94.064
19レスター大学英国93.8170
20ボローニャ大学イタリア92.8167

日本の大学は?

上位20位の中には日本の大学は入っていませんでした。それでは日本の大学はどうなのでしょうか。

日本の大学では、101位~200位というグルーピングされている中に初めて出てきまして、この101~200グループの中に7大学がランクインされています。広島大学・北海道大学・岡山大学・京都大学・東北大学・東京大学・筑波大学の7大学が日本の中では世界的にインパクトのある大学とされています。

残念ながら100位以内で単独でランクインされている大学はありませんでした。これらの大学は総じて、9番目の目標である「産業と技術革新の基盤をつくろう」という項目で高い評価をされています。

他では、3番目の目標「全ての人に健康と福祉を」でも比較的高く評価される傾向にあります。

ですが、アジアの他の大学は100位以内にランクインされている大学もありますので、物足りない感じは否めません。

インパクトランキング2021から見えること

インパクトランキングは通常行われている世界大学ランキングの評価とは大きく異なり、あまり耳にしたことがない大学もランクインしていて実際に世界ランクで200位以下の大学もランクインされています。他にはヨーロッパ・オセアニア・カナダの大学が多くランクインしている傾向と見られます。アメリカ・イギリス・中国・ドイツの大学が良くランクインしている世界大学ランキングとは顔ぶれが異なります。世界ランキングではあれだけ上位を占めていたアメリカの大学がほとんどいないというのも面白い点です。

1つ言えることは、ヨーロッパをはじめオセアニアなどの国では、SDGsへの取り組みが積極的に行われているからとも言えるかと思います。

また世界大学ランキングではないので、大きな影響はないと思われるかもしれないですが、こういった取り組みによって世界的に知名度や特定の研究分野での評価を高めることにもつながります。その積み重ねが最終的に世界大学ランキングにも影響してきますので、このインパクトランキングでのSDGsに対する取り組みも軽視できないと言えるのではないでしょうか。

世界大学ランキングで上位に入り込みたい日本の大学は、こういったSDGsへの取り組みを積極化することこそが世界大学ランキング上位進出の糸口になる可能性も否定できません。

大学選びの指標にも

海外留学、特に大学や大学院へ留学する場合は、大学の知名度や大学ランキングを参考にして進学する大学を選んでいくこともあったりしますが、このランキングに出てくるような世界的に持続可能な社会の実現へ向け努力や研究を惜しまない大学を進学候補に入れてみるのも良いと思います。

それこそこういった大学こそがその分野で深い研究を行ったりもしていますし、その研究分野で将来的に先端を走る可能性も大いにあります。

このインパクトランキングも参考にして大学を選んでいき総体的に進学大学を決めていけると理想的かもしれません。

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