世界大学ランキング2021(THE)の結果について考えてみる

世界大学ランキング2021(THE)の結果について考えてみる | 留学スクエア

イギリスのTimes Higher Education(略してTHE)が9月7日に2021年版の世界大学ランキング(World University Rankings)の結果を発表しました。

結果を見てアメリカやイギリスの大学が王道で安定して評価が高い一方で、中国の大学の躍進が目立つ結果となりました。日本の大学はというと東大が全体で36位、アジアで4位という結果になりました。ここからどういったことが紐解けるか見ていきましょう。

THE世界大学ランキング2021結果

まずはTHE世界大学ランキング2021の結果をチェックしていきます。ランクインされている世界の大学上位50まで掲載します。ランキングの詳細は、THEの世界大学ランキング2021の記事を直接ご確認ください。

順位大学名総合スコア
1オックスフォード大英国95.6
2スタンフォード米国94.9
3ハーバード大米国94.8
4カリフォルニア工科大米国94.5
5MIT米国94.4
6ケンブリッジ大英国94.0
7UCバークレー米国92.2
8イエール米国91.6
9プリンストン米国91.5
10シカゴ大米国90.3
11インペリアルカレッジ英国89.4
12ジョンズホプキンス米国89.2
13ペンシルバニア大米国88.9
14ETHチューリッヒスイス87.9
15UCLA米国87.1
16UCL英国86.9
17コロンビア米国86.8
18トロント大カナダ86.0
19コーネル米国85.3
20デューク米国84.8
20清華大学中国84.8
22ミシガン大アナーバー米国84.0
23北京大学中国83.9
24ノースウエスタン米国83.6
25シンガポール国立シンガポール83.5
26ニューヨーク大米国81.9
27LSE英国81.4
28カーネギーメロン米国81.0
29ワシントン大米国80.4
30エディンバラ大英国79.4
31メルボルン大豪州78.9
32LMUミュンヘンドイツ78.2
33UCサンディエゴ米国77.7
34ブリティッシュコロンビア大カナダ76.4
35キングスカレッジ英国76.1
36カロリンスカ研究所スウェーデン76.0
36東京大学日本76.0
38ジョージア工科米国75.8
39香港大学香港75.2
40マギルカナダ75.1
41ミュンヘン工科大ドイツ74.8
42ハイデルベルク大ドイツ74.3
43スイス連邦工科大ローザンヌスイス74.1
44テキサス大オースティン米国74.0
47南洋工科大シンガポール72.7
48イリノイ大アーバナシャンペーン米国72.3
49ウィスコンシン大マディソン米国71.4
50ワシントン大セントルイス米国71.1

以上が世界の大学で見たときの上位50大学です。多少の前後の差はあれ、特に上位30以上はほぼ毎年同じメンバーと言っても過言でないと思います。日本の大学で言うと次点で京都大学の54位です。その次となると東北大学で201位~250位とまとめて扱われており、このようにまとめて扱われると世界的にはほぼ圏外とみなされていると思って仕方がないかもしれません。あくまでランキングで考えればという話です。

かつてはアジアの中では東大がトップでしたが、このトップの座も中国の大学に奪われてしまいました。

国別でみる上位100大学の数

それでは少し視点を変えて、国ごとに上位100位の中にその国の大学がいくつランクインしているかをチェックしてみたいと思います。

100位以内の大学数
アメリカ37大学
イギリス11大学
オランダ7大学
ドイツ7大学
オーストラリア6大学
中国6大学
カナダ5大学
スイス4大学
フランス3大学
香港3大学
日本2大学
韓国2大学
シンガポール2大学
フィンランド1大学
台湾1大学
デンマーク1大学
ベルギー1大学
スウェーデン1大学

英語の論文や引用回数、そして国際性などの評価が高いので上位100位はアメリカとイギリスの大学で過半数、少しカナダやオーストラリアの大学がランクインしていて、ここ数年中国の大学が存在感を表しているという印象をお持ちじゃないでしょうか。

確かに上位50大学だけで見るとその側面もありますが、実際に100位内で国ごとの数でみると意外かもしれませんがドイツとオランダの大学で14大学あり、ヨーロッパ(非英語圏)で合わせると25大学ランクインしています。それこそ欧米で約8割、残りがアジアの大学となっています。

そして、イギリスの大学が100位内で見ると思ったほど幅を利かせていないというのもわかります。イギリスの大学は100位までに入っている大学数よりは、101位~200位にランクされている大学数の方が多いです。今後Brexitなどで優秀な学生や研究者が集められないと、ドイツやオランダに抜かされる日もそう遠くは無いかもしれません。

ちなみに英語圏の大学が占める割合は、約60%です。残りの40%は英語圏の大学ではないのにしっかり評価されているということになります。日本の大学は英語が苦手だからとか英語で授業をやっていないから仕方がないという意見もありますが、非英語圏の大学がこれだけランクインされていることを考えると日本の大学もうかうかしてられません。

THE世界大学ランキングの指標からみる課題

カンタベリークライストチャーチ大学キャンパス

THE世界大学ランキングは「教育」「研究」「引用」「国際性」「産業貢献度」の5つで総合的に評価されています。

世界大学ランキングの評価指標というページで詳しく説明していますが、この5つの指標で重要度をパーセンテージで決めており、各指標で算出されたスコアをそれぞれのパーセンテージで配分されて総合的評価をしています。

日本の大学と課題

上位100位に入っている東京大学と京都大学は、引用スコアと国際性スコアが上位の他の大学と比べ弱いため、現状のようなランクに位置づけられていると思われます。特に引用スコア(東大57.7、京大60.8)は国際性スコアよりも配分率が高いので、大学から発表された論文などの出版物が世界的にいかに引用されているかという点が今後の鍵を握る一つではないかと思います。東大や京大のランクに近い他の大学には、英語圏の大学ではなくても引用スコアが80台や90台がいますので、そこが課題となってくるでしょう。

あとは、香港やシンガポールを除いてアジアの他の大学にも言えますが、ヨーロッパの非英語圏の大学と比べて国際性が大きく弱いので、国際性もテコ入れすべき点ではないかと思います。

日本の大学は東大京大を除いて200位のランキング圏内にも入れない少し残念な状況となっていますが、2021年で200位はカナダのカルガリー大学です。総合スコアで54.3となっています。200位より下位の日本の大学の中で一番は東北大学ですが、引用回数や国際性が圧倒的に200位近辺の海外大学と勝負になっていません。他の指標(教育や研究など)では200位内に問題なく入れる実力があるだけにです。これは東北大学だけでなく他の日本の上位国立大学(旧帝大)にも言えることかなと思います。

そして、文系中心の大学は研究費が少ないなどの理由でどうしても順位が低くなります。ランキングは加重して算出しているとは書かれていますが、文系中心でも文系領域で特筆した研究実績や知名度がない限り総合で上位に食い込むことは難しいです。イギリスの社会科学系の大学でLondon School of Economics (LSE)がありますが、社会科学中心の大学にも関わらず総合で27位というランクになっています。ここまで突出した文系領域での実績や知名度が無いと文系中心の大学は総合上位に食い込むのは中々厳しいと言えると思います。そのため文系中心の学部が多い私立大学などは、研究分野別のランキングで上位を目指す事も考えられるのかなと思います。

イギリスの大学と課題

イギリスの大学は、オックスブリッジやロンドンの有名どころの大学群(Imperial, UCL, LSE, Kings)、エディンバラ、マンチェスターなどはあまり大きな問題はないかもしれませんが、それより下位の大学に関しては国際性と引用回数以外のスコアが総じて弱いです。留学生も集まり英語の論文などで引用される回数も多いといった特徴以外の目立ったポイントがありません。

世界的に教育や研究といった面でイメージを上げて行く必要があるかもしれません。もちろん日本の大学よりはスコアは総じて高い方ですが、イギリスのこの8大学以外は教育の質や研究力を上げて行ければランキングも上がってくるのではないかと感じます。

アメリカの大学と課題

アメリカは100位内の上位に来る大学の面々は凄いです。世界的に名立たる大学ばかりです。日本でもよく聞く名前の大学から聞いたことあるなという大学まで揃っています。

では100位内にランクインできない大学は、ざっと見る限り、全体的に落ちはしますが引用回数以外の他の指標の落ちが目立ちます。特に100位に入れないアメリカの大学はアメリカ中部や南部の地区で、その地域でそこそこ有名な大学が多いのかなという印象です。そういった意味では、アメリカの大学ほど改善点が幅広く明確にしにくいため、何かに焦点を当ててピンポイントで改善していかなければ上位に食い込むというのは難しいかもしれません。

アメリカはとにかく大学数が多いので、アメリカの聞いたことのない大学ほどイギリスの聞いたことのない大学よりもランクが下がる傾向にあるかなという印象です。ですので、あくまでランキングや知名度で大学を選ぶとすれば、アメリカの聞いたことのない大学よりはイギリスの聞いたことのない大学に行く方が良いと言えるかもしれませんね。

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