ヨ-ク大学院留学1~MA修士取得のハードな授業

ヨーク大学大学院での体験談その1

イギリスの留学体験談お二人目の第3弾をお届けします。ロンドンに語学留学をされた後に社会人経験を経てヨーク大学の大学院へMA(修士号)留学された華小路エリカさんの体験談です。語学留学とは異なったイギリスでの大学院留学の様子がわかるかと思いますので、是非ご覧になってみてください。

イギリス大学院留学体験談のはじめに

日本の大学を卒業後、大学で助手を経て某省で勤務した後、英国のヨーク大学に留学し修士課程MAを取得しました。英会話も完全でない中での大学院留学、どんな厳しさや楽しさが待っていたのかご紹介してまいります。

英国の大学院留学の重要ポイント

英国の大学院に留学するには、まず大学卒業時に取得する学士号取得が必須条件です。入学試験は特にありませんが、重要になってくるのは、志願書に添えられた志望動機の手紙と、大学教授などによる推薦状です。私の場合は日本の大学で卒論を担当した女性教授が英国のオックスフォード大学出身だったため、そんなキャリアのある教授からの推薦状のお陰で大学院留学が許可されました。

ヨーク大学を選んだ理由

ヨーク大学大学院MAでヨークを選んだ理由

ヨーク大学があるヨーク市はロンドンから北に約300km離れた歴史ある古い町で、日本の金沢っぽい小京都的なイメージがある隠れた観光地として人気があります。街の雰囲気も良かったのですが、ヨーク大学には当時英国でも珍しい、私の知的好奇心を満たしてくれる学問「女性学」を専攻する学科があり、それに魅かれて留学を決意しました。

女学生だけの特殊な総合学問学科

ヨーク大学大学院MAで女性学を専攻

関心を持った「Women’s Studies/女性学」という学問は、当時日本の大学には存在せず、友人たちに「英国で女性学を学ぶ」と言っても「助成学?」と間違われるほどでした。そもそも女性学の学科は英国でも学士過程では存在せず、院の修士課程から学ぶことができます。

というのも、女性学は「諸学問の相互関連専門学」として位置づけられており、学士過程で政治・経済・社会・文学・心理・文化といった様々な専門分野で学んだ生徒が、その専門を生かしてその中で「女性問題」に焦点を当てて研究するといった、専門性の高い特殊な学問だからです。

私の場合、日本の大学では英米文学を専攻し、卒業論文が「シェークスピアの作品における女性たち」といった内容でしたので、自然とその方面へと興味が移ったようです。

ハードな修士課程のカリキュラム

修士課程にもMA、Mphilなど取得する称号が異なるコースがあり、それぞれ1年~2年で取得できるフルタイムとハーフタイムの選択があります。私はMAのフルタイムを専攻したため、1年でMAを取るというかなりハードなコースになりました。

このコースは1年に春秋の2学期があり、1年を通じてコアコースという主軸となる分野を専攻し、それに関する英字2万字の修士論文を最後に提出します。さらに、各学期にオプションコースという短期授業を2科目づつ専攻し、2学期合わせて4科目のオプションコースを受け、各科目につき英文5000字の小論文を別途4つ提出し合格しなければなりません。

その5000字の小論文を2カ月に一度の頻度で提出するために、毎週50冊以上の英語で書かれた専門書や資料を読み漁りました。毎日授業と勉強に追われ、学校、図書館、寮の往復といった受験生のような過酷な一年を過ごしました。私が選んだ4つのオプションコースは、政治学、文化人類学、社会学、心理学の4分野で、各分野から女性を取り上げて提出した論文は、猛勉のかいあって4つとも全て合格しました。

私の場合フルタイムを選択したため、1年間で1つの長論文と4つの短論文提出というハードなスケジュールでしたが、2年コースだとその労力が半減されます。

先生も生徒も女生だけのクラス

イギリスの大学院ではスーパーバイザーシステムという、一人の生徒に一人の教授が指導・監督するという教授システムがあり、論文準備では懇切丁寧な指導を受けられました。女性学のクラスは数人の女性教授がいて、英国や外国から集まった優秀な生徒たちは全て女性でした。女性学を専攻する女生徒は皆どこか個性的で美しい特殊先鋭部隊といった雰囲気が漂い、ヨーク大学の中でも「女性学」学科の学生は注目の的でした。

女性学の学科は何故か美人が多かったのですが、そこはウーマンリブの系統を引く女性闘志たち、みんなショートヘアでジーンズなどのカジュアルなパンツスタイルで、ロングヘアでスカートをはいていたのは私ともう一人の日本人女性だけでした。

その日本人同級生M女史は私より10才年上の美しい女性で、とても気が合い仲良くなり、休日には彼女が運転するミニクーパーでドライブを楽しんだり、彼女が借りている一軒家で朝までおしゃべりしたり楽しい日々を共有しました。彼女は現在京都の同志社大学の教授として活躍しており、今でも友情は続き、日本でよく再会したりしています。

授業では週に一度、4つのクラスに分かれて自由討論会が行われたり、月に2回の割合で他大学の講師を招いてのセミナーが開催されます。また、私が在学中には隣県のリーズ大学に赴き、同大の大学院生たちと交換授業や交流会を楽しんだりしました。

まとめ

以上、初めての大学院生活がいかに学問まみれだったかハードな部分をご紹介してまいりました。日本の大学では楽しい学生生活で遊び過ぎたためか、その反動で受験時代に戻ったような極限の勤勉生活に浸り、娯楽の部分をかなり犠牲にした1年であったと思います。そんな中でも、息抜きとなる楽しい時間も少なからずあり、思い出深いヨーク大留学生活を満喫することができました。次回はそんな「楽しい留学生活」をご紹介したいと思います。

イギリスの大学院カリキュラム(1年)は本当にハードです。数々の小論文をこなし、最後に膨大な論文提出が待っています。論文を書くことも大変ですが、書くまでのリサーチも大変です。その中でも大学院留学ならではの楽しみ方もあるので、ハードな日々ですが、振り返って充実した留学生活を送れたと思えることは間違いないと思います。

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