イギリス短期留学でのスタンダードビジター(最長6ヵ月)/Standard Visitor
イギリスに短期留学しようと考える時に必ずチェックしなければいけないのがビザについてです。
イギリスで英語の勉強や大学での勉強、さらには働くためにはいくつかビザの種類があってそれ相応のビザを取得したうえでイギリスに入国しなければなりません。
その中でも日本のパスポート保持者にとって留学しやすいとも言われているStandard Visitor(スタンダードビジター)についてここでは詳しく解説していきます。スタンダードビジターは6ヵ月間滞在して勉強できますが、6ヵ月以上の滞在であれば英語学習を目的としたスタンダードビジター、及び通常の学生ビザがあります。このページでは6ヵ月までの短期を対象としています。
イギリス短期留学にビザは必要か
日本のパスポート保有者である場合、6ヵ月までの滞在を前提とした留学をする場合には事前のビザ申請は必要ありません。
留学期間がイギリスに入国した日からイギリスを離れる日までの日付が6ヵ月以内に収まるようであれば、事前のビザの申請をしなくても、事前にETAに登録しておけばそのままイギリスに渡航してイギリスに入国した空港で電子ゲートを通過し学校に通うことができます。
6ヵ月までの留学で必要な条件
スタンダードビジターでイギリスへ渡航しようとする場合、いくつか申請するための条件が設定されています。そのまま入国できてしまうので、案外注目されにくい点ではありますが、それらの条件を満たしていることが前提となっています。GOV.UKで掲載されてあるスタンダードビジター(スタディ)の条件をいくつかご紹介します。
認定を受けた学校に通う
6ヵ月までの短期間で留学しようとする場合、多くの場合で語学学校か大学のショートプログラムという事になるかと思いますが、留学先の学校はイギリス政府に認められた認定団体による認定を受けている必要があります。例えば、英語学校であればEnglish UKといった団体になります。
以下に指定されている語学留学系の主な認定団体をピックアップしておきます。
- 学生ビザのスポンサーになっている教育機関
- ABLS
- ASIC
- Accreditation UK(English UK/British Council)
- British Accreditation Council
十分な資金
イギリス滞在期間をしっかり賄えるだけの十分な資金が必要です。1ヵ月あたりいくらという明確な額は設定されていませんが、一つの目安として学生ビザで定められている1ヵ月あたりの生活費を参考にしてみても良いかと思います。(ロンドン:£1,483、その他:£1,136)
留学終了後にイギリスを離れるという意思
あくまで留学目的でイギリスに滞在することになりますので、学校のコースが終わったら(日本に帰国するかどうかは別として)イギリスを離れるという意思をもっていなければなりません。
イギリス留学中の滞在先
イギリス留学中にどこに滞在する予定か、イギリス滞在中の住所や連絡先など事前に決めたうえでこのスタンダードビジターでの入国が求められます。
18歳未満は特別措置
年齢の規定は特に定められていませんが、18歳未満の方がスタンダードビジターでイギリスに渡航する場合には保護者が同伴するか、または保護者が同伴しない場合、入国時に入国審査官のブースにて持参する追加の書類の提示が求められます。
スタンダードビジター(6ヵ月)の制約
スタンダードビジターでは、制約がいくつか定められています。要は、ビジターとしてできないことなどの制限やルールです。これらの制約が守られていないとイギリスの移民に関する法律に抵触することになりますので、気がついたらルールを破っていたという事が無いようしっかり注意して行動するようにしてください。
延長できません
スタンダードビジターの延長はできないことになっています。またイギリス国内での他のビザへの切替もできません。6ヵ月の期限が切れそうということで出入国を繰り返し、滞在期間を延長していくことはしないようにしましょう。
滞在期日の制限
スタンダードビジターでイギリスに滞在できるのは、入国日から6ヵ月間後の日付までとなります。気づいたら6ヵ月を過ぎてしまっていたという事態になると今後入国が認められない可能性も出てくるので注意しましょう。
働けません
このスタンダードビジターでイギリスで働くことはできません。またボランティアなど無給の活動についても例外はありますが基本的にはできないことになっています。スタンダードビジターで入国している以上、この名前の通りあくまでビジターです。
その他
その他、公立の学校には通えない・公的な支援を受けられないなどの制約があります。
入国審査で必要なもの
スタンダードビジターは、事前の申請が必要なくそのままイギリスに渡航して空港でビジターとしての入国許可を受ける形となります。ただし、基本は上記で説明した条件を満たしておく必要がありますので、入国時に審査官に止められた時に備えて以下でご紹介する書類を用意してイギリスに渡航することを強くお勧めします。イギリス渡航に向け日本を出発するまでに以下の書類の準備を進めておきましょう。
以下にご紹介する書類の一部は、実際に入国の際に求められない可能性もありますが、入国の審査官によって求めてくるものもまちまちなので、準備万端ですべての書類を用意しておくと安心できると思います。
また渡航準備の際にこれらの書類は機内受託手荷物(checked bag)の中に入れないで、必ず機内持込手荷物として機内に持ち込むようにしてください。
入学許可証
必須です。受講する学校から発行してもらった入学許可書です。お名前、学校名、学校住所や連絡先、どういったコースを受講するか、コースの受講期間がいつからいつまでかなど学校の詳細と受講するコースの詳細が記載された入学許可書を発行してもらい、印刷して紙ベースで用意しておきましょう。
パスポート
言うまでもないですが必須です。イギリス入国予定日から6ヵ月間は残存期間が残っているパスポートを用意しておくと安心です。
滞在先の書類
イギリス入国後どこに滞在するか、滞在先の住所や連絡先が書かれてある書類を用意しておけばイギリスに滞在先を確保してあることを証明することができるので安心です。
帰りの航空券
留学後にはイギリスを離れる意思の証明として、イギリスを離れる航空券や帰国用の航空券も提示できるようにしておきましょう。
資金の証明
イギリス留学中の生活を賄うための資金をしっかり持っていることを証明できるものを提示できるようにしておきましょう。学生ビザと異なりはっきりと何を提示するかは規定されていませんが、これまでのお客様の例でいうと、クレジットカード・銀行の残高証明(英文)・現金を提示したというケースはあります。
事前ETA登録
イギリス渡航前までに、必ずETAの登録を済ませておいてください。ETAの登録を済ませておかないとイギリス行の飛行機への登場が拒否される場合もありますので、気を付けましょう。登録から2年間有効となっています。
入国審査官の質疑
eGateを通らない場合や止められた場合など、入国審査官のブースで簡単な入国審査官による質問に答える必要もあります。聞かれることとしては、「どこに滞在するか」「何を勉強するか」「どのくらいイギリスに滞在するか」といった内容が中心になります。
スタンダードビジターの注意点
最後にいくつかスタンダードビジターの注意点をまとめてみたいと思います。
期間は6ヵ月まで
事前のビザ申請手続きが無くそのままイギリス渡航し留学しようと思えば、コース受講期間ではなく滞在期間(入国日から出国日まで)を6ヵ月までとして設定する必要があります。その中でコース受講期間を収めていくようにします。6ヵ月を超えるようであれば、11ヵ月まで英語学習目的で滞在できるショートタームスタディビザ、または学生ビザの申請が選択肢に上がってきます。またYMSというイギリス版ワーキングホリデーのようなビザを狙うという手もあります。
出国意志は必須
留学のコース受講が終わったら必ずイギリスを出国するという意志が必要です。そのためにはイギリスを出るという意思表示としてイギリス出国用の航空券を持参しておくことが必要です。まれに片道航空券のみでイギリスに渡航されようとする方もいるのですが、この場合ほぼ入国拒否にあう可能性が高くなります。
くどいですが働けません
イギリスで働きたいと思いスタンダードビジターでと考えられている方もおられるかもしれませんが、スタンダードビジターでは一切働けません。イギリスの法人からスポンサーが付いていれば別ですが、無の状態からイギリスで働こうと思えば、一番手っ取り早いのがYMSです(様々な制限はありますが)。その他で言えば、学生ビザでイギリスの大学生という身分で働くということもできます。あとはスポンサーがいなければ、詳細はわかりませんが配偶者ビザというところになってくるかと思います。


