アメリカ人の自然と動物に対する考え方に触れて

アメリカ体験談3回目その5

アメリカの留学体験談第3弾デイジーさんの5回目、最終回となる体験談です。アメリカ人の自然や動物に対する考え方に触れて、学ぶことが多かったデイジーさんは、どういったところで学びや気付きを得たのでしょうか?

現地での生活に慣れてきた頃、アメリカの文化に触れてみたいと考えるようになりました。

オレンジカウンティは自然豊かでアクティビティが沢山ありますが、スポーツが苦手な私には不向きだったので、他にないか思案したところ、思い浮かんだのが動物でした。

アメリカの動物福祉については学んだことがありますが、実感が沸かなかったので、現地にいる今だからこそ、知れないと考え実際にいくつかアメリカの動物福祉について学べる場所に足を運ばせました。

ラグナ・ビーチにあるパシフィック・マリーン・ママル・センターに行く道中

アシカ

カリフォルニア州、ラグナ・ビーチにあるパシフィック・マリーン・ママル・センターに行きました。ここでは海洋哺乳類を救助して、動物達が回復して自力で自然に戻れるまで保護する施設です。その他にも共同研究を通じて海洋の管理をしています。保護数は確認したところによると、30匹程の動物が管理されているようです。

飢餓や脱水で海岸に打ち上げられ、憔悴しきったアシカたちは居合わせた市民の連絡により、専用の車に乗せられて、施設で保護・治療をされます。

この際、もし衰弱したアシカなどの動物を発見しても一般の人は法律で触れてはいけないそうです。なので、保護団体が駆けつけるまで触らずに電話をかけるのが最善の策です。

傷ついた動物を治療し、海に自力で戻れるまでの一時的な保護であり、保護施設にいる殆どが比較的軽傷で数週間程で海に帰されるそうです。柵越しから見えたアシカ達は遠目からでは外傷などなく、 狭いプール内を元気に泳いでおりました。保護されている殆どが、比較的軽傷で回復が早い分、早く自然に返されるそうなんですが、一部の保護されている動物は重篤な状態に陥っていて、施設のスタッフの集中治療領域の回復が必要な子がいるそうです。

この施設は全て寄付で賄う民間のレスキュー団体であり、そのため寄付の収入で運営が維持されています。なので、グッズ売り場に置かれているグッズを買うだけでも、治療費や維持費に大きく貢献します。

私が参加したのはあくまで見学ですが、この海洋保護施設では常にボランティアを応募していました。

アシカの保護状況

アメリカのボランティア精神

アメリカではボランティア精神が根強いているらしく、老若男女、年齢問わず、ボランティアを検討している多くの方が見学・体験をしていました。

特にその日に限ったことかは定かではありませんが、子供連れの親子が多く参加しておりました。

アメリカでは大半の人がボランティア活動をした経験があり、そのためアメリカ全土でボランティア活動は一般的に広く知れ渡っており、日常的に取り組まれています。

留学時のアメリカの散策で、帰りのバスが分からず途方に暮れていたときにすかさず助けに来てくれたり、帰りが一人なのを心配して寮まで一緒に見送ってくれたり、見ず知らず私にも臆することなく声をかけ、助けてくれました。

アメリカ人に助け合いの精神が強いのは、他人に対する好奇心が強い、多種多様な人種が入り交じることへの耐性に限らず、こういったボランティア精神が意識的に育まれてきて、反映されているからだと感じました。

そして、その背景は植民地時代まで遡り、当時からアメリカ人は互いに協力して助け合ってきました。何故なら植民地開拓にあたり、自身の生死がかかっていたので、協力し合うことは必然でした。

これならの経緯や、元来の前向きな性格も合わさってアメリカ人はボランティア活動に自身の時間や力を費やす事を惜しみません。

イルカ

次に、ニューポートビーチのイルカ & ホエール ウォッチングに参加しました。

私の場合は事前予約無しで当日向かいましたが、無事チケットが購入できました。

ここではなんと野生のイルカが群れを成してカタマランと平行して泳ぐ姿を眺められる、また運が良ければクジラが間近で見学できると知り、2時間のホエールウォッチングツアーには参加しました。

船が出港し、海の色が変わったある堺まで辿り着くと、イルカが前方で泳いでるのが目視できました。更に船が近づくと眼下でイルカの大群が透き通るような海の中で優雅に泳ぐ姿に感動し、アーバインの大自然に驚かされました。

イルカは大切に保護されている

アメリカの平和的象徴

日本ではイルカを食糧とする伝統文化があります。勿論どの程度浸透してるかは定かではありませんが、私の地域では未だに缶詰として売り出されているのを見かけたことがあります。

対してアメリカでは、イルカは保護や平和の象徴としての意味合いが強いらしく、だからこそアメリカ人は幸運のシンボルであるイルカを守ろうとします。

信仰心が強いアメリカ人だからこそ、平和と幸福のシンボルであるイルカは、守るべき対象であるのです。なので、アメリカ人にとって日本人の食文化と考えが理解し難いものなのです。また、『The・Cove』という2009年に公開されたイルカの追い込み猟について描かれた映画の影響の余韻が残っているとも言われています。

まとめ

ただ単に英語が話せるようになりたい、というのが当初の留学の目的でしたが、現地の文化に感化されたことによって、更に勉強への意義と、向上心を持てるようになりました。この留学でアメリカの動物事情について学べたことは、私の人生で大きなポイントになりました。

アメリカではボランティアの精神や動物愛護に対する精神は根付いていると思います。日本ではなかなかこういった考え方に触れる機会が少ないかもしれませんが、身近にこういった考えに触れるのも留学の醍醐味といえるでしょうね。

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