イギリスのサマータイム(BST)とは?時差・生活リズム・準備のコツを徹底解説

イギリスのサマータイム(BST)とは?時差・生活リズム・準備のコツを徹底解説

日本では馴染みのない「サマータイム」がイギリスには制度としてあります。この制度は、渡航直後の時差トラブルや現地での生活リズムのズレ、手続きの混乱を引き起こす原因にもなり、留学生は注意が必要です。

※ちなみに、サマータイムは英語で一般的に、Daylight Saving Timeと呼ばれています。

特に、時間を「1時間進める・戻す」という変更は、現地の授業開始時間や日本との連絡時間に大きな影響を及ぼすため、事前の準備が欠かせません。

ここでは、イギリスのサマータイム(BST)の基本理解から、留学生活で注意すべき実務的なポイント、さらに生活リズムをスムーズに調整する具体的なコツまでを網羅的に解説する完全ガイドです。

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イギリスのサマータイム(BST)とは

イギリス留学において知っておくべきサマータイム制度は、正式には「ブリティッシュ・サマー・タイム(BST)」と称されます。これは太陽が出ている時間を有効に利用し、主にエネルギー消費量を抑える目的で導入されている国の制度です。

この制度は、日本との時差や現地の生活リズムに影響を与える重要な変更点であるため、留学生活をスムーズにスタートし、滞在期間中に時間の混乱で損しないために知っておくべき事項が多くあります。

このパートでは、サマータイムの定義と期間、日本との正確な時差をわかりやすく解説します。

サマータイム(British Summer Time)の仕組みと目的

サマータイムは、太陽が出ている日中の時間を有効活用し、照明などにかかる電力を節約する目的で主にヨーロッパ諸国で採用されている夏時間の制度です。イギリスのサマータイム、すなわちBSTは、期間中、標準時間であるGMT(グリニッジ標準時:Greenwich Mean Time)から時計を1時間進めることで、日没後の暗い時間を短縮する仕組みです。

期間 適用時間 時計の変更 日本との時差
冬時間 GMT(グリニッジ標準時) 時計を戻す(標準) 9時間
サマータイム(夏時間) BST(ブリティッシュ・サマー・タイム) 時計を1時間進める 8時間

BSTの期間は毎年変動しますが、原則として「3月最終日曜日の午前1時(GMT)」から「10月最終日曜日の午前2時(BST)」までと定められています。具体的には、3月最終日曜日の午前1時になった瞬間に時計が午前2時に進められ、10月最終日曜日の午前2時になった瞬間に時計が午前1時に戻されます。

この制度により、ロンドン時間はもちろん、エディンバラやマンチェスターなどイギリス全土の時間が一律に変わるのです。この基本的なルールを理解することで、渡航前の準備や現地での予定管理が容易になります。

日本との時差:BST中は8時間、冬季は9時間の違い

サマータイム期間中は、日本とイギリスの時差が1時間短縮されるため、日本との連絡時間調整に特に注意が必要です。

サマータイム期間中(BST)は、日本とイギリスとの時差は8時間になります。例えば、日本が午前9時の場合、イギリスは午前1時です。一方、サマータイムではない冬時間の期間は、時差が9時間となるため、日本が午前9時の場合、イギリスは午前0時となります。

この1時間の差は、日本の家族や友人との連絡、オンラインでの授業やミーティングの時間調整に直接影響を与えます。例えば、日本時間の夕方6時(午後6時)に家族と連絡を取りたい場合、BST期間中であればイギリスは午前10時、冬時間であれば午前9時となります。特に渡航直後やサマータイムの切り替わり直後は、この時差の違いを意識しないと、うっかり連絡時間を間違えてしまう可能性があります。そのため、事前に正確なイギリスの時差を計算し、日本の家族や友人に伝えておくなどの準備が求められます。

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イギリス留学前に知っておきたい「サマータイムの注意点」

サマータイム制度は、日中の活動時間を有効活用できるメリットがある一方で、留学直後や制度の切り替わり時には思わぬトラブルの原因となり得ます。現地で焦らないためにも、事前に知っておきたい注意点を把握し、うっかり防止に努めることが、安心して現地生活を送るための鍵です。

このセクションでは、留学生が特に混乱しやすい時間のズレ事例と、その回避方法を解説します。

渡航直後に混乱しやすい時間のズレ

渡航直後やサマータイムが開始・終了するタイミングでは、現地での予定管理において時間のズレが発生しやすいものです。特に留学生が遭遇しやすいのは、授業時間の変更に関する混乱です。サマータイム期間中にイギリスに渡航する場合、BSTの夏時間が適用されていますが、現地到着直後は身体がまだ日本の時差(9時間差または8時間差)に慣れていません。

具体的な事例として、学校や交通機関の時刻表に関するミスが挙げられます。サマータイムの切り替わり直後は、交通ダイヤが変更されるケースもあるため、事前に確認が必要です。さらに、日本時間に合わせて設定していたオンライン授業時間のアラームが、現地時間の変更によってズレてしまい、遅刻や欠席につながる可能性もあります。特に、YMSなどで留学中にアルバイトをする場合は、勤務時間やシフトの調整に細心の注意を払い、1時間のズレでうっかり出勤時間を間違えないように、シフト表を改めて現地時間で確認することが重要です。

留学生がよくやる時計設定のミスとその回避方法

サマータイムの切り替え時に留学生が最もうっかりやってしまいがちなのが、デジタル機器の時計設定のミスです。スマートフォンやPCは通常、ネットワークを通じて自動で時間を調整してくれますが、「自動設定」がオフになっていると、1時間のズレが生じたままとなり、予定管理に混乱を招きます。

うっかりミス3選

  • 手動設定のまま放置する: 「自動設定」をオフにしたまま、切り替え時に手動で時間を設定し忘れることがあります。
  • 海外対応していない機器の設定ミス: 日本から持参した目覚まし時計など、サマータイムに対応していない機器の時刻調整を忘れる事例です。
  • オンラインとリアルの時間認識のズレ: オンライン授業時間はPCの時間、現地アルバイトは手元の時計と、参照する時間が異なり混乱するケースがあります。

これらのミスを回避する方法は、まずスマートフォンやPCの「日付と時刻の自動設定」がオンになっているかを事前に確認することです。また、サマータイムの切り替わり前日には、手持ちの全ての時計(アナログ時計、目覚まし時計など)をリストアップし、切り替え時刻に手動で調整する予定管理の徹底が求められます。

Q:サマータイム中の授業時間はどう変わる?

A. 学校の授業時間は、サマータイム開始に伴い、現地時間(BST)で示された時間に変更はありませんが、標準時間(GMT)を基準に見ると「1時間早く」始まります。留学生は、学校から配布される「Academic Calendar」や時間割表を、必ず現地時間(BST)で確認するようにしてください。

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サマータイムを味方にする:留学生活・手続き・習慣のコツ

サマータイムは、日中の活動時間が長くなるというメリットを最大限に享受するために、スムーズに生活を送るための準備と対策が重要です。時間のズレに慣れるための生活リズム調整法、現地手続きの際の予定管理の注意点、日本との連絡のコツを知ることで、快適にイギリスでの留学生活を上手に乗り切ることができます。

このセクションでは、実践的な習慣のコツを紹介します。

生活リズムを整える3つのポイント

サマータイム開始時に時計が1時間進むと、体感としては1時間睡眠時間が削られたような状態になり、体内時計が乱れやすくなります。この生活リズムのズレに慣れるための工夫が必要です。

  1. 徐々に就寝・起床時間を調整する
    サマータイム開始日の数日前から、毎日15分ずつ就寝時間と起床時間を早めます。これにより、切り替え当日には大きな負担を感じることなく、体内時計を現地時間に合わせることが可能になります。
  2. 積極的に朝日を浴びる
    起床後、できるだけ早く窓を開け、朝日を浴びることが重要です。人間の体内時計は、光の刺激によってリセットされる仕組みになっています。特にイギリスの日照時間は、夏が長いため、このメリットを活かし、積極的に外に出て日光を浴びるよう心がけましょう。
  3. 規則正しい食事と睡眠の習慣化
    朝食・昼食・夕食の時間を毎日一定に保ち、寝る時間を習慣化します。食事の時間が不規則になると、体内時計の調整が遅れる原因となります。特に留学中は食生活が乱れがちですが、意識して規則正しい生活リズムを維持することが大切です。

この3つのポイントを実践することで、サマータイムによる睡眠不足や時差ボケの影響を最小限に抑え、活動時間を上手に乗り切ることが可能になります。

慣れるための工夫と日本との連絡のコツ

サマータイムを上手に乗り切るためには、物理的な時間の調整だけでなく、精神的に慣れるための工夫と、日本との連絡のコツを知ることが重要です。

慣れるための工夫として、現地時間に合わせて積極的に活動時間を増やすことが有効です。日照時間が長くなるサマータイム期間は、夕食後に散歩や運動をしたり、友人との交流時間を設けたりすることで、自然と生活リズムが現地時間に適合していきます。夜型になりがちな方は、この時期を活かして朝型に切り替える絶好の機会と捉えましょう。

日本との連絡のコツとしては、家族や友人との連絡時間を固定化し、その時間を現地時間で明示的に伝えることが重要です。例えば、「毎週日曜日の日本時間午後7時にオンラインで話す」というルールを設けた場合、サマータイム期間中は「毎週日曜日のBST午前11時」と現地時間を伝えます。SNS投稿やオンラインミーティングの時差管理においても、投稿の前に「現在のロンドン時間」を明記するなど、相手にも時差を意識させる配慮を行うことで、時間のミスを未然に防ぐことが可能です。

イギリスのサマータイム【メリット・デメリット比較】

イギリスのサマータイム制度は、生活に意外なメリットをもたらす一方で、ちょっと不便な点も存在します。制度の光と影を比較検討することで、留学生活における体感ギャップを減らし、より効率的な生活リズムを構築することが可能になります。

このセクションでは、サマータイムの日照時間に関するメリット・デメリットを対比させながら解説します。

表で見る:メリット・デメリット一覧

サマータイムの切り替えは、留学生活の活動量や省エネ意識に影響を与えます。

メリット デメリット
日照時間が長くなり、夕方以降も明るい 時間変更の切り替わり直後に混乱しやすい
活動量が増え、アウトドアや観光が楽しめる 体内時計の調整が必要で、一時的に睡眠不足になる
省エネ効果により、照明などの電力消費が抑えられる 夜型になりやすく、朝の活動に影響が出る可能性がある
家族や友人との時差が1時間短縮される 交通機関のダイヤや営業時間の確認が必要となる

サマータイムの最大のメリットは、日照時間が長くなることです。夏場は午後9時や午後10時近くまで空が明るいため、学校やアルバイトが終わった後でも、明るい中で外出や観光を楽しむ活動量が増えます。逆に、デメリットは、切り替え時の混乱と体内時計の調整に時間が必要なことです。

留学生が感じた体感ギャップ

サマータイムについては、現地の留学生が感じた体感ギャップを知ることで、より具体的な生活リズムのイメージを持つことができます。

留学生の声(体験ベース)

  • 「サマータイムが始まる3月は、1時間早く明るくなるので、日照時間を上手に活用できました。朝が長く感じるため、勉強時間を確保しやすかったです。」
  • 「夏は夜10時まで明るいので、友達との夕食後の散歩や、公園で過ごす時間が増えました。活動量が増えて充実しました。」
  • 「切り替えの日、スマホは自動で変わったのに、キッチンの時計だけ手動で変え忘れていて、交通機関の時間を間違えそうになりました。手動の時計の予定管理には注意が必要です。」
  • 「夜型になりやすいことがデメリットでした。夜が長くて明るいので、つい遅くまで遊んでしまい、次の日の朝起きるのがつらくなることがあります。」

このように、日照時間が長いことによる活動量の増加は大きなメリットですが、混乱や夜型化といったデメリットも存在します。これらのリアルな声を参考に、生活リズムを崩さないための具体的な習慣化の工夫を取り入れることが、サマータイムを味方にする鍵となります。

サマータイムが終わるとき:時間を戻すのはいつ?

サマータイムの終わり、すなわち冬時間への切り替わりは、時間を1時間「戻す」という点で、開始時とは異なる注意が必要です。ややこしいと感じやすい切り替わりのタイミングを事前に把握し、忘れずに正確な手順で時計を戻すことが、トラブルを未然に防ぐために注意したいポイントです。このセクションでは、サマータイム終了の具体的なタイミングと、その際に起こりやすいトラブル例について解説します。

BST終了のタイミングと時計の戻し方

BSTの終了は、毎年「10月最終日曜の午前2時(BST)」と定められています。この瞬間、時計は午前1時に戻すことになります。つまり、理論上は「午前1時」が2回存在することになり、1日の中で1時間長く睡眠や活動ができる状態となります。

時計を戻す具体的な手順

  1. 日付の確認:
    毎年10月最終日曜の日付を確認します。
  2. 実行タイミング:
    土曜日の夜、睡眠に入る前に、手動で時間を合わせるべき時計(アナログ時計、目覚まし時計など)を「1時間戻す」設定にします。スマートフォンやPCは通常、自動で切り替わりますが、「自動設定ON」になっているかを確認します。
  3. GMTへの切り替え:
    10月最終日曜の午前2時をもって、現地時間は冬時間(GMT)に切り替わります。翌日以降の予定管理は、GMT基準で行います。

この具体的な手順に従い、忘れずに時計を戻すことで、切り替わり直後の混乱を避けることが可能です。特に、現地時間の午前2時に切り替わることを意識し、その時間に睡眠を取っている場合は、前日のうちに準備を済ませることが重要です。

終了時に起こりやすいトラブル例

サマータイム終了時には、時間を1時間「得る」ことになりますが、このことが逆にトラブルの原因となることがあります。特に、アラーム設定のミスや交通機関の利用、長距離の飛行機搭乗時には注意が必要です。

終了時の主なトラブル例

  • アラームのズレ: 自動で時計を戻す機能がないアラームアプリや、手動設定の目覚まし時計を戻し忘れると、設定時間よりも1時間早くアラームが鳴ることになります。睡眠時間が削られることになるため、前日に必ず確認しましょう。
  • 授業時間の混乱: サマータイムが終わり冬時間(GMT)に戻った翌日の授業時間は、すべて冬時間(GMT)基準に戻ります。当日になって「授業開始時間が1時間遅くなった」と勘違いし、遅刻する事例があります。
  • 飛行機搭乗のミス: サマータイム終了直後の飛行機搭乗予定がある場合は、チケットに記載されている出発時刻がBSTかGMTかを確認しましょう。1時間のズレで乗り遅れることを避けるため、交通機関の出発時刻には細心の注意を払う必要があります。

Q:いつ時計を戻せばいい?

A. 毎年10月最終日曜の午前2時(BST)になった瞬間に、時計を1時間戻します。多くのデジタル機器は自動で切り替わるため、手動で設定すべき時計だけを忘れずに調整しましょう。

【まとめ】サマータイム制度を正しく理解して、安心して新生活へ

イギリス留学におけるサマータイム制度の理解は、安心して新生活をスタートさせるための必須の準備ガイドです。この制度を正しく理解し、適切な対策を講じることで、時差や生活リズムの混乱を避け、留学生活の活動量を最大限に高めることが可能になります。

まだ理解に不安があれば、この記事内にあるLINE無料相談から質問をお願いします。

よくある質問(FAQ)

Q1. サマータイムは毎年変わりますか?

A. 年によって開始・終了の具体的な日付は微調整されますが、原則として開始は「3月最終日曜の午前1時」、終了は「10月最終日曜の午前2時」と固定されています。毎年その日付は異なりますので、渡航準備の際には必ず確認してください。

Q2. 日本のスマホやPCは自動で切り替わりますか?

A. スマートフォンやPCは、設定で「日付と時刻の自動設定」がオンになっていれば、現地時間に合わせて自動でBSTへ切り替わります。ただし、現地SIMを挿入した後や、渡航直後は念のためロンドン時間で設定されているかを確認することが推奨されます。

Q3. サマータイム終了後の授業・交通はどうなる?

A. サマータイム終了後、冬時間(GMT)に戻ると、授業時間や交通機関の時刻表もGMT基準に戻ります。翌日以降のすべての予定管理は、GMT基準の冬時間で通常運行されます。

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