【2025年版】イギリス留学のビザ完全ガイド|長期・短期・YMSの注意点と失敗しない選び方
「イギリスのビザは複雑で申請が難しそう」「他の国より制度が厳しいと聞いて不安」
このように、イギリス留学のビザ制度に不安を感じている方は非常に多いのではないでしょうか。
確かに、カナダやオーストラリアと異なり、イギリスのビザ制度は申請目的に厳格で、現地での他のビザへの切り替えがほぼ不可能という特徴があります。この厳格さゆえに、イギリスのビザ制度はルールが明確であるため、事前にその注意点さえ正しく理解して準備すれば、トラブルは確実に防げます。
ここでは、短期(6ヶ月未満)の語学留学、そして6ヶ月を超える長期留学(Student Visa及びShort Term Study Visa)、さらには就労も可能なワーキングホリデー(YMS)まで、すべての留学プランに対応したビザの全体像と、イギリス留学ならではの厳格なルールを徹底的に解説します。
この内容を読めば、ご自身の留学目的・期間に最適なビザの種類と、申請時に失敗しないための注意点が分かってきます。
イギリス留学のビザは4種類|まず全体像を把握
イギリス留学で利用するビザは、留学の目的と期間によって「短期語学留学」「長期留学」「ワーキングホリデー(YMS)」という3つの主要なカテゴリーに分類されます。留学を検討する最初のステップとして、まずはこの3軸を正しく理解し、ご自身の留学計画に合致するビザの全体像を把握することが、ビザ選択で失敗しないための絶対条件です。
特にイギリスでは、一度ビザを誤って申請・取得してしまうと、現地での目的変更やビザの切り替えが他の国に比べて難しく、ほぼやり直しがきかないという大きなリスクがあるため、初期段階での正しい選択が非常に重要となります。
6ヶ月未満|短期留学(Standard Visitor)
Standard Visitorは、6ヶ月未満の短期語学留学や観光を目的とした場合に適用されるビザです。このビザの大きな特徴は、ビザの事前申請が不要であり、事前にETAに登録しパスポートと航空券でイギリスに入国できるという点です。
このビザは、最大6ヶ月までの語学学校への通学が可能ですが、入国審査の際に審査官から滞在目的や帰国意思について質問されることが一般的です。特別なビザ申請手続きはありませんが、注意すべき点として、Standard Visitorビザでは現地での延長や他のビザへの切り替えが不可能であり、また、一切の就労活動が認められていません。
短期留学は「観光と同じ」という認識ではなく、留学目的(勉強)であることを明確に説明できる準備が不可欠です。入国時に通学予定の学校の入学許可証など必要な書類と、滞在中の費用を証明する書類を提示できるように準備しておきましょう。
6ヶ月超|長期留学(Student Visa及びShort Term Study Visa)
6ヵ月以上就学する為の長期留学ビザには、Student Visa(学生ビザ)と英語学習を目的としたShort Term Study Visaの2種類あります。
学生ビザ(Student Visa)
学生ビザは、大学やカレッジへの留学、または6ヶ月を超える語学学校への通学など、6ヶ月以上の正規留学を目的とする場合に必要となる長期ビザです。
このビザの申請では、CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)と呼ばれる入学許可証が学校から発行されることが必須となります。CASは、留学先の教育機関が「英国政府の公認スポンサー」であることを証明するものであり、この書類がないと申請はできません。
さらに、学生ビザの申請では、留学中の学費に加えて、滞在中に必要な生活費を証明する資金証明額の提示が求められます(※ただし日本を含め特定の国籍保持者は免除になる場合もあり)。この証明額は、留学先の都市がロンドンであるか、それ以外の地方であるかによって金額が大きく変わるため注意が必要です。
学生ビザを持つ留学生は、アルバイトを含む就労活動に一定の制限があります。学位取得を目的としたプログラムの受講中は週に20時間までといった制限があり、目的外の活動(規定以上の就労など)が発覚した場合、ビザの取り消しや強制送還といった厳しい処分の対象となります。
学位プログラムを受講していない場合は、学生ビザでも就労は認められていません。
| 項目 | ロンドンでの滞在 | 地方都市での滞在 |
|---|---|---|
| 毎月必要な生活費 | £1,483/月 | £1,136/月 |
| 証明が義務付けられる総額 | £13,347(最大9ヵ月分) | £10,224(最大9ヵ月分) |
- 日本をはじめ特定の国籍保持者には免除になる場合もあり
- 証明額は受講期間分の生活費(最大9ヵ月)+未払いの授業料
- 通帳または取引明細にて過去30日期間内に28日間以上継続して資金を保持していた必要あり
Short Term Study Visa
Short Term Study Visaは6ヵ月以上の英語学習を目的とした長期留学ビザですが、最長11ヵ月まで滞在可能という制約があります。
このビザでは英語学習以外の目的で申請することはできません。
申請手続きにおいて、認定を受けた英語学校からの入学許可証をはじめ、過去の収入や資金の流れが分かるよう資金証明の提示が求められます。また、英語コース終了後に必ず帰国することを証明するための帰国用のフライトの旅程計画なども求められます。
長期留学ビザではありますが、このShort Term Study Visaでは一切イギリス国内での就労は認められていません。また、途中学校の変更も不可となっています。
ワーホリ(YMS)
YMS(Youth Mobility Scheme)ビザ、通称ワーキングホリデーは、18歳から30歳までの日本国籍保有者が、最長2年間、イギリス国内での就労、就学、旅行を自由に組み合わせながら滞在できるビザです。
ただし、年齢条件を満たしていても過去にYMSビザを取得されたことがある場合は二度目の申請はできません。
YMSの最大のメリットは、就労の制限がないことです。学生ビザのような就労時間制限がないため、現地での生活費を賄うためのアルバイトや、キャリアアップを目指した職務経験を積むことが可能になります。
YMSは留学も就労も自由という認識は半分正解ですが、半分は誤解だといえます。自由度の高さゆえに、現地での活動に計画性がなければ、2年間の期間を無駄にしてしまうリスクがあるからです。「とりあえず行ってみよう」という計画性がなく行動してしまうと、帰国後のキャリアに繋がらないといった失敗に直結してしまう場合もあります。
また、2年という長い期間滞在できますので、2年間を過ごす予算計画や収支計画もしっかり立てておかないと、早期の帰国が回避できない事態にもなってしまうので注意が必要です。
特に、YMS期間終了後に現地の企業に就職して就労ビザへの切り替えを考えている方は、英語力の向上や専門的なスキルの習得など、2年間という限られた期間での目標達成に向けた綿密な計画が必要不可欠となるでしょう。
YMSビザで学校に通うなどの就学もできますが、大学など高等教育機関ではYMSでの就学を受け入れない場合もあるので事前に確認が必要です。
ルールに厳格なビザ制度 イギリスならではの注意点
イギリスのビザ制度は、カナダやオーストラリアなどの他国と比較して、いくつかの点で非常に厳格な特徴を持っています。これらの「イギリスならでは」のルールを理解することが、ビザ申請の不許可を回避し、留学生活を円滑に進めるための重要なポイントです。
線引きが超厳格|目的外活動は即NG
イギリスのビザ制度の根幹は、「ビザに定められた目的以外で活動しないこと」にあります。たとえば、Standard Visitorで入国した学生がアルバイトをしたり、大学に通いながらも学生ビザの規定を超えて就労したりするような目的外活動は厳しく制限されています。
他国では多少の融通が利くケースもありますが、イギリスでは規定の逸脱が判明した場合、ビザの取り消し、罰金、そして将来的な入国拒否といった深刻な結果を招く可能性もあるので注意が必要です。
ビザと学校が紐づく|スポンサー制度(CAS・ライセンス)
長期留学の学生ビザでは、ビザが留学先の学校や大学(公認スポンサー)と強く紐づいています。学校側が政府から「留学生を受け入れるライセンス」を付与されることで、学生にCASを発行します。
そのため、学校側は学生の出席率などを報告する義務もあり、学生の側で勝手に学校を変更したり、学校を辞めてしまったりしてしまうと、学校にとってもビザのスポンサー資格を失うことにつながりかねません。もちろん、そうすることで学生側もビザの失効につながります。
ロンドンと地方で生活費証明が変わる
学生ビザの申請時に義務付けられている資金証明額は、留学先の都市によって異なります。ロンドンは生活費が高いと見なされ、地方都市よりも高額な資金証明を求められます。この金額は、学費とは別に滞在費として銀行口座に保持していることを証明する必要があるため、資金計画を立てる際には、このロンドンと地方での金額差を正確に把握することが不可欠です。
延長・切替がとにかく難しい(カナダや豪州と比較)
カナダやオーストラリアでは、現地で観光ビザから学生ビザへの切り替えやビザの延長が行える場合があります。しかし、イギリスでは短期ビザから長期ビザへの切り替えは原則として不可能であり、延長もできません(学生ビザの延長は可能です)。一度決めたビザの種類と期間を途中で変更することが難しいといった認識を持てば、留学やワーホリの計画段階で慎重な準備が求められてもきます。
就労は原則「特典ではなく例外」という発想
学生ビザにおける就労は、あくまで「学業を妨げない範囲で許可される例外的な特典」という位置づけです。「留学しながらガッツリ稼ぐ」という発想は、イギリスのビザ制度においてはリスクを伴います。留学の主目的は学業であり、就労はその補助的な活動であるという認識を徹底することが重要です。
| 項目 | イギリス | カナダ | オーストラリア |
|---|---|---|---|
| ビザの延長・切替 | 原則不可/難しい (学生ビザは条件に応じ可能) |
比較的可能 | 比較的可能 |
| 就労の考え方 | 原則「例外・補助的」 | 学生ビザでも就労は制限あるが一般的 | 学生ビザでも就労は一般的 |
| 滞在費証明額 | ロンドンと地方で金額差あり | 都市による差は少ない | 都市による差は少ない |
あなたはどのビザ?目的別の最適ルート診断
ご自身の留学目的や留学期間を明確にすることで、4種類のビザから最適なルートを特定することができます。以下のフローチャートに従ってご自身の状況を当てはめてみてください。これにより、複雑に感じていたビザの種類を判断できるでしょう。
最適ルート診断フローチャート
-
- 118歳から30歳までの日本国籍保有者ですか?
- YES → Aへ進む
- NO → Bへ進む
-
- A就労や就学の自由を求めていますか?
- YES → ワーキングホリデー(YMS)
- NO → Bへ進む
-
- B留学の期間は6ヶ月を超えますか?
- YES → 大学/専門:学生ビザ or 英語学習:Short Terms Study Visa
- NO → Standard Visitor(短期留学)
| 留学目的/期間 | 最適ビザ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 6ヶ月未満の語学留学 | Standard Visitor Visa |
|
| 6ヶ月超の留学 (大学/専門学校) |
学生ビザ |
|
| 6ヶ月超の留学 (語学学校) |
Short Term Study Visa |
|
| 2年間の就労・就学 | YMS(ワーキングホリデー) |
|
この診断で、ご自身の留学計画に合わないビザを誤って選択することがないよう事前のビザに関するリスクをできるだけ抑えられると思います。
申請〜渡航までの流れと準備スケジュール
ビザの種類が特定できたら、次は渡航に向けた具体的な準備スケジュールを立てることが重要です。特に長期留学の学生ビザやShort Terms Study Visaは、申請準備に時間がかかるため、渡航予定日の1年〜6ヶ月前から行動を開始する「迷わず進むためのロードマップ」が必要です。
長期留学で渡航するまでのロードマップ(1年〜6ヶ月前から)
| 時期 | 主なToDo | 目的と注意点 |
|---|---|---|
| 渡航 1年〜6ヶ月前 |
情報収集とビザ特定 | 留学目的を明確にし、目的に沿った最適なビザを特定する |
| 学校選定と申込 | 予算や希望に見合った学校を選び申込、特に学生ビザの場合は公認スポンサーである学校を選ぶ | |
| 渡航 6ヶ月~3ヶ月前 |
CAS/入学許可証の取得 | 学校から正式な入学許可証(学生ビザはCAS)を受け取る |
| 資金の準備 | 学生ビザ申請のために留学期間分(最大9ヶ月分)の生活費と学費を28日間継続して保有していることを証明できるように資金を用意 Short Term Study Visaは過去6ヵ月間の資金の流れや収入がわかる通帳や取引明細が必要 |
|
| 書類の準備 | 特にShort Terms Study Visaでは、予約済みの航空券など他に揃える書類があれば用意 | |
| 渡航 3ヶ月~2ヶ月前 |
ビザ申請手続き | GOV.UKのウェブサイトからオンライン申請書を作成 |
| IHSとビザ申請料の支払い | 長期ビザの場合、IHS(英国社会保険料)を支払い、ビザ申請料の支払いを完了 | |
| VFSビザセンターへ | 東京または大阪のビザセンターで指紋認証やパスポートなどの書類提出を行う | |
| 渡航 1ヵ月前過ぎ |
パスポート返却 | 1ヵ月前ころまでにパスポートが手元に戻るように |
| 渡航準備 | 航空券の予約、滞在先の確保、海外旅行保険の手配を完了 | |
| 渡航直前 | 持ち物チェック | パスポート、ビザ申請書類の控え、学校の入学許可証、資金証明書など、入国審査で提示を求められる可能性のある重要書類をまとめて手荷物に用意 |
選ぶ目的や学校によって期間のずれは生じてきますが、このスケジュールでビザ申請時期を含めた大まかな長期留学への準備の流れが把握できると思います。
余裕をもって準備することで、ビザ審査の遅延があっても対応できるようになりますし、書類不備といったトラブルにも対応できるようになります。渡航日を逆算しながら余裕のある準備を進めることが大切です。入学許可証やCASの取得、そして資金証明の用意など、自分だけではコントロールできない場合もあるため、尚更余裕を持った準備が成功の鍵を握ってきます。
よくある質問(FAQ)
ここでは、イギリス留学のビザに関して多くの方が抱える疑問点について、制度の理解を深めるための解説を行います。
Q. イギリスのビザは入国審査が厳しいって本当ですか?
A. イギリスの入国審査は、他の国と比較して厳格な傾向があるのは事実です。審査官は、訪問者の滞在目的が観光や留学であることを装った不法就労やオーバーステイを防ぐことに重点を置いています。したがって、帰国意思の証明(帰りの航空券)や、滞在費を賄える資金証明(例として銀行の残高証明書)、そして留学先の学校の入学許可証など、すべての書類を完璧に準備し、質問に明確に答えることができれば、過度に心配する必要はありません。書類の不備や回答の曖昧さが、審査を厳しくする主要因となります。
Q. 途中で学校変更はできますか?
A. ビザの種類によっては不可能です。Standard Visitorの短期ビザでは、現地での学校変更は可能です。長期の学生ビザやShort Term Study Visaの場合は、ビザが学校と紐づいているため基本的には不可能です。ただし、学生ビザの場合、変更には新しい学校からCASを発行してもらい、変更手続きを行うことで変更が可能な場合もあります。この手続きは複雑で時間も費用もかかるため、現地で学校を変更しない方が賢明です。
Q. 観光ビザ(Standard Visitor)で通学はできますか?
A. はい、可能です。6ヶ月未満の短期語学留学であれば、観光目的で利用されるStandard Visitorビザで通学が許可されています。ただし、あくまで「留学」という目的での滞在になるため、入国審査では、学校の入学許可証や学費の支払い証明、そして滞在中の資金証明を求められることがあります。観光目的の旅行と同じ感覚で入国を試みると、審査で問題が生じる可能性があるため注意が必要です。
Q. ビザを取るとアルバイトは可能ですか?
A. ビザの種類によって異なります。Standard Visitor(6ヶ月未満)やShort Term Study Visaの語学留学ビザでは、就労活動は一切許可されていません。アルバイトを希望する場合は、学生ビザで学位コースを受講またはYMS(ワーキングホリデー)を選択する必要があります。学生ビザであっても、週に20時間までといった就労制限があり、これを守らないとビザが取り消されるリスクがあります。
Q. IHSとは何ですか?
A. IHSとはImmigration Health Surcharge(移民健康負担金)の略称であり、6ヶ月を超えるビザを申請する際に支払いが義務付けられている費用です。この費用を支払うことで、滞在期間中、イギリスの国民健康サービス(NHS)を原則無料で利用できるようになります。長期の学生ビザ、Short Term Study Visa、YMSビザを申請する方は、ビザ申請料とは別にこのIHSの支払いが必要です。
まとめ
この記事を通じて、イギリス留学のビザは、短期から長期・YMSまで、留学の目的と期間に応じて4種類に明確に分類されることを理解いただけたのではないでしょうか。
しかし、「自分のケースではどのビザが正解なのか」「資金証明額の具体的な算出が不安」など、個別の状況に関する不安は残るものです。ビザ申請はご自身のキャリアに直結する重要なプロセスであり、たった一つのミスが留学計画全体を崩壊させてしまう可能性もあります。
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